ここ数年、山陰を旅することが多くなりました。私のsérie『宍道湖畔を行く』は週一回、松江での稽古会に赴く折、心惹かれたことを綴っています。島根から山口の日本海側を車を走らせます。浜田、萩、長門から下関へと。街道はうねり、恰も、高杉晋作の創設した奇兵隊が今にも進軍してきそうな趣があります。が、静かです。温泉の宿を求めてもけばけばしい様子はなく、その温泉のさらりとした泉質が好きです。先日は、防府ICから、山口市へ北上し、湯田温泉に投宿。そこから峠を越えて萩に至ります。幕末の歴史を彩る萩は、私も何度か訪れ、藩の子弟を鍛えたという明倫館道場で剣術と鎗術の稽古をしたことがあります。再築されて、剣道場と、もう半分を鎗術の鍛錬場と、とても立派な道場です。萩で印象的なのは朝の光景で、散歩をしていると、白地の築塀の間で擦違う通学途上の小学生が挨拶をしてきます。松陰もかくありなんと思馳せる風情があります。明倫館の資料館で最晩年の梅原猛氏にお会いしたことがあります。明倫館資料館では、それまでの日本の所持していた武器との圧倒的な差を見せつける、奇兵隊の調達した武器の能力の展示が眼を引きます。この火力を持って対立したら、凄まじい消耗を齎す戦いが待っています。この殺傷能力をもってすれば、日本の当時の国力は著しく低下し、そこに手ぐすねを引いる外国勢力の侵略を甘んじて受けてしまいます。あらゆる分野で、二項対立と言う図式が見事に当て嵌まります。国際情勢を一方的に断じることは危険です。一般的な報道は意図ある誘導の可能性もあります。山口県には大谷山荘と言う素晴らしい宿があります。私も何度か投宿させていただいたことがあります。安倍首相とロシアのプーチン大統領の会談場所として有名になりました。丁度、今回お世話をして頂いた仲居さんは、ロシアのプーチン大統領の訪日の際、担当された方でした。プーチン氏の印象をお聞きしたら、「プーチンさんは靴を脱がない方だというのが第一印象なんですよ」とそう話していただきました。世界中から、その存在を消そうと狙われているのは周知の事実です。抜かりなく、隙を見せない。流石ベテランの仲居さんは本質を見抜いておられる。国際政治の生々しい現実を感じます。明治維新を国内の単なる政争と考える人は少数でしょう。明治維新から150年を過ぎた現代も、その危機は相変わらず続いています。

敗者を描いてこの書き手に勝るものなし。追悼の文章も地元新聞紙上で拝見しましたが、隅々まで哀悼を尽くした美しい文章でした。
*一坂太郎(2020年)『坂本龍馬と高杉晋作 「幕末志士の実像」と虚像 』朝日新聞出版
このブログをアップしょうとしていたら、プーチン氏と会談した当の元首相の突然の訃報に接しました。日本の保守の最後の砦。国際政治のキーマンの一人でした。真相が明らかになるのを待っていると、ずるずると年度をまたいでしまいました。仕方がありません。ここでアップします。






