小泉八雲(Patrick Lafcadio Hearn) 柳田国男 漱石 C・W・ニコル(Clive William Nicol) 鉄 古代史
<ハーンの曾孫の小泉凡氏と松江城の武将> この武将は私ではありません。
稀代のナチュラリストであったC・Wニコル氏が、日本への憧れを募らせたのは、日本の武道を習い、新渡戸稲造の『武士道』、黒澤明の映画『七人の侍』に畏敬の念を覚えたことに起因していることはよく知られています。でも、ラフカディオ・ハーンの著作を、しかもその大部分を貪る様に読んでいたことはあまり知られていないようです。アイルランド、ウェールズと出身は異なるものの、同じケルトの思想をその根幹に持っているように感じます。彼らに共通するのは自然崇拝と多神教という、日本人と共通する宗教観(日常の心持ちと言い換えたい)を持ち、受け入れていることです。

<興雲閣>ハーンが松江にいた時と同時代の建築物 <城山稲荷神社>ハーンの散歩道にある稲荷神社
ハーンの曾孫の小泉凡氏の案内で、何処か自分の世界の遠い所に置いてあったラフカディオ・ハーンを手元に引き寄せることができたような気がします。貴重なことにハーンのコンプレックスについて親族にしか分からないことを教えていただいた。ギリシア人の移民であること。マイノリティーであることのコンプレックスです。現代のロンドンでも、長く留学生の世話をしている下宿先のギリシア人の叔母さんや、新興のストラットフォード界隈のアラブ系の人たちに出会うことができます。そして多くの大英帝国の遺産を否応なく目のあたりにすることになります(100年前のシャーロック・ホームズはロンドンでアフガン戦争で傷痍したワトソン博士と出会うのであり、現代のべネディクト・カンバーバッチもやはりアフガンで傷つきPTSDに悩まされるマーティン・フリーマンに出会う。100年後のロンドンでの出会いも、きっと同様なガジェットが設定されることでしょう)。
<狐の信仰> 狐に纏わる不思議な体験は何回か経験があっていつかここに書いてみたい
ハーンがニューオーリンズでアメリカのマイノリティーに近親感を持ち婚姻も経験しているのは不思議ではない。縁あって日本に辿り着き。小泉セツさんと子どもを設けるのも自然な流れだ。小泉セツさんを語り部として再話した文学が『怪談』です。その後に続く柳田国男が東北出身の佐々木喜善を語り部に『遠野物語』を表し、夏目漱石の『夢十夜』もハーンの影響を感じざるを得ません。

英語のリーディングのテキスト。やはり“The Story of Mimi-Nashi-Hôïchi” が秀逸
栂尾高山寺の明恵上人の苦悩と信仰が物語の根底にあるのだろうか。ジャポニスムの信奉者ゴッホはこの縁起を知っていたのでは。

<小泉八雲記念館>小泉凡氏が館長を勤められている <ヘルン旧居宅> 静謐さに満たされた空間
松江藩鉄師頭取田部家 奥出雲の鉄は大いに松江藩の経済を潤した。 中国山地の鉄は興味深い。

出雲エリアの蕎麦の名店は多い。いずれも素朴な味わいだ。今日は出雲庵のお蕎麦を頂いた。

小泉八雲記念館から、旧居、田部美術館、武家屋敷群と松江城のお堀端を歩く。
*島津邦弘(1994)『鉄学の旅』中国新聞社







